Gemini 4 Argonは11月30日まで半額。今のうちに試しつつ、プロダクトの価格は12月の料金で決めましょう

Surya Pratap
By Surya Pratap

2026年10月23日

8 min read

AI & Technology
2つに分かれた図。左側はGemini 4 Argonの概要です。2026年10月13日からGemini APIで一般提供され、モデルIDはgemini-4-argon。コンテキストウィンドウは約100万トークン、思考レベルは低・中・高。Googleの公表値ではDeepSWE v1.1で77.9%、Artificial Analysisの独立した指標ではGPT-6 Astraと同水準でClaude Opus 5.5より下です。右側は料金の変更です。2026年11月30日までは入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドル、12月1日からは4ドルと20ドル。入力5万トークン、出力5,000トークンの例では、提供開始時の料金で0.15ドル、通常料金で0.30ドルになります。12月1日に料金が2倍にHover to explore
提供開始時の料金は、モデルを試すには良いタイミングですが、事業計画の前提には向きません。評価は今行い、価格は12月の料金で決めましょう。

新しいフロンティアモデルには、創業者が注目する数字が2つあります。ベンチマークのスコアと料金です。Gemini 4 Argonには、それ以上に大事な3つ目の数字があります。日付です。提供開始時の料金は11月30日までで、12月1日にはトークンあたりの料金がすべて2倍になります。これによって、このモデルとの付き合い方が変わります。

本記事は、Googleの発表「Gemini 4 Argon: our next era of frontier intelligence」と「Gemini 4 Argon is now available for developers」、Releasebotがまとめたgemini APIのリリースノート、そしてLindyとOpenRouterによる料金と仕様のまとめに基づいています。ベンチマークの数字の多くはGoogle自身のものです。第4節以降は筆者の見解です。

1. Googleが発表したもの

Googleは2026年9月30日にGemini 4 Argonを発表し、「実務でのコーディング、企業の知識労働、サイバー防御のためのフロンティアモデル」と説明しました。10月13日に一般提供が始まり、Gemini API、Google AI Studio、Android Studio、そしてUltraの契約者向けにはGoogleのコーディング環境Antigravityで、モデルIDgemini-4-argonとして使えるようになっています。

Googleのドキュメントをもとにまとめた仕様は次のとおりです。

  • コンテキストウィンドウ: 1,048,576トークン。入力、思考、出力で共有します。
  • 長い出力: Googleによれば、出力の上限は以前の64Kから約100万トークンに引き上げられました。デフォルトの最大出力は65,536トークンです。
  • 思考レベル: 低、中(デフォルト)、高。
  • 入力: テキスト、画像、動画、音声、PDF。出力はテキストです。
  • 知識のカットオフ: 2026年3月。

Geminiアプリでは、有料のGoogle AI ProとUltraの契約者が利用でき、無料アカウントは対象外です。また、Googleのプログラム「Fairwind」を通じて、サイバー防御の担当者に先行して提供されました。

2. ベンチマークと、その出どころ

Google自身の数字は次のとおりです。

ベンチマーク測るものGemini 4 Argon
DeepSWE v1.1ソフトウェアエンジニアリング77.9%
Vals Index知識労働68.9%
AutomationBench自動化タスク51.3%
LVBench長い動画の理解91.7%
GraphWalks 256K–1M長いコンテキストでの推論84.2%

DeepSWEについては、Googleの比較を伝える報道によれば、Claude Opus 5.5は74.2%、GPT-6 Astraは74.1%です。

独立したテストでは、それほど一方的な結果にはなっていません。Lindyによれば、Artificial Analysisの指標ではArgonは53でGPT-6 Astraと同点、首位はClaude Opus 5.5の58です。

Googleは社内での成果も紹介しています。Argonのエージェントが、Fuchsia Zirconカーネルの80万行以上をCとC++からRustに移行するのを支援したこと、そしてGoogleのデータセンター全体で300TiB以上のメモリを解放する最適化を見つけたことです。いずれも、Googleが自社の取り組みについて説明したものです。

3. 料金と、その日付

2026年11月30日まで2026年12月1日から
入力100万トークンあたり$2100万トークンあたり$4
出力100万トークンあたり$10100万トークンあたり$20
キャッシュされた入力100万トークンあたり$0.10—

入力5万トークン、出力5,000トークンという、よくあるエージェントの1ステップを考えてみましょう。提供開始時の料金では約0.15ドル、12月からは約0.30ドルです。このステップをユーザー1人あたり1日20回実行する機能なら、1人1日あたり約3ドルから約6ドルになります。

提供開始時の料金は、モデルを試すには良いタイミングですが、事業計画の前提には向きません。

4. この期間に創業者がやるべきこと

今、自社のタスクで評価する。 トークンが安いうちに、自社の評価セットをArgonと現在のモデルの両方で実行しましょう。比べるのはベンチマークの表ではなく、品質、レイテンシー、成功したタスク1件あたりのコストです。3つの思考レベルも試してください。あなたの用途では、「高」はトークンに見合わないかもしれません。

12月の料金で計算する。 Argonを採用するなら、利益率は4ドルと20ドルで試算しましょう。2ドルと10ドルでしか成り立たない計画は、6週間後には成り立たなくなります。そして、11月に顧客向けに決めた価格は、割引期間より長く続きます。

長いコンテキストにはキャッシュを使う。 キャッシュされた入力は100万トークンあたり0.10ドルとされています。同じ長い文書やコードベースを繰り返し送るなら、変わらない部分がプロンプトの先頭に来るように構成しましょう。OpenAIのキャッシュの損益分岐で整理した考え方が、ここでも当てはまります。

出力の長さに注意する。 出力の上限が高いのは、移行作業、長いレポート、大規模なリファクタリングに便利です。しかし、出力は入力の5倍の料金です。機能ごとに出力の上限を明示的に設定し、1つの長い回答で請求額に驚かされないようにしましょう。

モデルの切り替えを安く保つ

どう判断するにしても、モデルの選択はコードではなく設定に置いておきましょう。料金、ランキング、提供開始時の割引は数週間ごとに変わります。得をするのは、新しいモデルを1日で試し、評価の実行と設定変更だけで機能をそのモデルに移したり、そこから外したりできるスタートアップです。

5. Argonが力を発揮しそうな場面

  • 長いコンテキストを扱う作業: 長いコンテキストで高いスコアを持つ100万トークンのウィンドウは、リポジトリ全体を対象にしたコードのタスク、長い契約書、大量の文書に向いています。ただし、それだけの量を送るコストを払えることが前提です。
  • 長い出力: 以前のモデルが64Kトークンで止まっていた、移行作業全体や長い草稿のようなタスクを、一度で処理できるようになります。
  • マルチモーダルな入力: 動画、音声、PDFを1つのモデルで扱えれば、今は複数のモデルをつないでいる処理を簡素化できます。

短く、量の多いタスクでは、より小さく安いモデルのほうがコスト面で有利なことがほとんどです。Argonのファミリーにも、そのためのFlashモデルがあります。

6. 筆者が言い切らないこと

Argonがあなたにとって最良のモデルだとは言えません。 Googleのベンチマークは有利な結果を示していますが、独立した指標の1つでは、フロンティアモデルの中で中位です。決めるのはあなたのタスクです。

料金や上限が確定しているとも言えません。 ここでの数字は、Googleの発表と、料金ページを第三者がまとめたものに基づいています。導入を決める前に、最新のGemini APIの料金を確認してください。

Googleの社内での成果がそのまま当てはまるとも言えません。 Googleのエンジニアとインフラを使ってFuchsiaをRustに移行できたことは、このモデルが長く構造化された作業をこなせることを示しています。しかし、あなたのコードベースでどうなるかはわかりません。

デフォルトの出力が100万トークンだとも言えません。 デフォルトは65,536トークンです。それより長い出力は明示的に設定する必要があり、追加のトークンはすべて出力の料金で課金されます。

まとめ

Gemini 4 Argonは、コーディング、エージェント、知識労働のためのGoogleの新しいフロンティアモデルです。2026年10月13日からGemini APIで一般提供されており、約100万トークンのコンテキストウィンドウ、はるかに長い出力、3段階の思考レベルを備えています。Googleのベンチマークでは、コーディングと長いコンテキストで首位かそれに近い位置にありますが、Artificial Analysisの独立した指標ではGPT-6 Astraと同水準で、Claude Opus 5.5より下です。料金は11月30日まで入力と出力の100万トークンあたり2ドルと10ドル、12月1日からは4ドルと20ドルです。

賢いのは、すぐに乗り換えることでも、無視することでもありません。半額の6週間を使って、自社のタスクで、このモデルが12月の料金に見合うかどうかを確かめることです。

11月30日までに、思考レベルごとにGemini 4 Argonで評価セットを実行し、12月の料金で現在のモデルと成功タスク1件あたりのコストを比べてください。そのうえで、どの機能を移すか、あるいは移さないかを決めましょう。

出典:Google「Gemini 4 Argon: our next era of frontier intelligence」— Argonの説明、64Kからの出力上限の引き上げ、DeepSWE、AutomationBench、LVBenchの数字、Fuchsia、メモリ、Fairwindに関する説明、導入価格と通常価格。Google「Gemini 4 Argon is now available for developers」— 10月13日からのGemini API、Google AI Studio、Android Studio、Antigravityでの提供。Releasebot— 10月13日の一般提供とモデルID。Lindy— 9月30日の発表日、契約者への提供、コンテキストウィンドウ、デフォルトの出力上限、思考レベル、知識のカットオフ、Vals Index、GraphWalksなどのベンチマークの数字、キャッシュされた入力の料金、Artificial Analysisの指標のスコア。OpenRouter— 料金の日程、モダリティ、コンテキストの長さ。DeepSWEでのClaude Opus 5.5およびGPT-6 Astraとの比較は、Googleの発表を伝える報道によります。コストの例と第4節から第6節は筆者の見解です。

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